頑張って実行していこう。

「ドクター堀江のテストステロンを上げるための10カ条」を以下に載せますので、ご参考になさってください。

第1条 適度な運動をする……筋肉が刺激されるとテストステロンが作られます。
第2条 仲間とともに行動する……チームスポーツのほうがより効果的です。
第3条 ストレスを解消する……ストレスはテストステロンの大敵です。
第4章 夜更かしをしない……テストステロンは、夜寝ているときに作られます。
第5条 女性と接する……世代を問わず初めて会う女性と話すだけでもいいのです。
第6条 学生時代の友達と会う……利害関係のない友人関係が大事です。
第7章 パワースポットに出かける……自分が元気になれる場所を見つけましょう。
第8章 海に入る! ……プールではなく海のほうがテストステロンを上げます。
第9章 「臭い話」で盛り上がる……嗅覚の刺激が効果的です。
第10章 ゲームをする……神経伝達物質ドーパミンがテストステロンを高めます。



日本人が知らない「男の更年期」の恐怖(東洋経済オンライン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160715-00125752-toyo-soci



日本人が知らない「男の更年期」の恐怖

東洋経済オンライン 7月15日 6時0分配信

日本人が知らない「男の更年期」の恐怖
もっと多くの人に男性ホルモンの役割と存在意義を知ってもらいたい、と語る堀江重郎先生(撮影:梅谷秀司)拡大写真

「最近まったくヤル気が出ない」「気分が落ち込む」「ちょっとしたことでイライラする」。仕事をする意欲がわかず、なにもかもおっくうで、「オレって、ひょっとしたらうつ?」とひとり悩んでいる方も多いのでは……。
実際、日本の気分障害(うつ病、双極性障害を含む)の患者数は、1999年の44.1万人から、2014年には111.6万人に急増している(厚労省)。会社でもうつ病を発症する人が多く、ビジネスパーソン全体の3%がうつともいわれている。いまやうつ病は、ビジネスパーソンにとってきわめて身近で深刻な病気となっているのだ。
だが、「ヤル気が出ない」といったうつ症状の原因として、うつ病以外のもうひとつの病気の可能性を指摘する医師が増えている。男性ホルモン(テストステロン)低下による「男性更年期障害」が、深刻なうつ症状の原因となっているというのだ。女性更年期のように広く認知されていないが、男性更年期障害が40代以上のビジネスマンに急増しているという。
最近注目を集めはじめた、この男性更年期障害(LOH(ロー)症候群)の実態と正しい対処法を、このたび『うつかな? と思ったら男性更年期を疑いなさい』を上梓した堀江重郎・順天堂大学医学部教授に聞いた。■  うつ病と思い込んでしまうケースも

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 ――うつ病だと思い込んでいる人の中には、「男性更年期障害」の人が多いのですか? 

 男性更年期障害の症状には個人差がありますが、中には体調不良で寝込んだり、気分が落ち込んでうつ病と思い込んでしまうケースもあります。

 実際、うつ病患者の多くが、男性ホルモン「テストステロン」の不足に陥っているのに、ほとんどの場合はその可能性すら顧みられていません。そればかりか、大量の抗うつ薬を投与されても治らず、かえって悪化させているケースもあります。抗うつ薬のなかには、テストステロンを下げるものもあるのです。

 私のところにきた患者さんでも、2年間にわたり、うつの薬を飲んでいたという方がいらっしゃいました。抗うつ薬を4種類飲んでいたのですが、テストステロンはかなり下がっていました。これまで、テストステロンが下がっているうつ病の患者さんでは、5割を超える人が、テストステロンを補充することで症状が改善しました。

――男性にも更年期障害があったのですね。

 男性ホルモン、主にテストステロンというホルモンですが、40歳を過ぎると徐々にこのホルモンが少なくなってきます。

 あまり大きく減ってしまうと、元気がなくなって気分が落ちこんだり、イライラしたり、朝起きられなかったり、不眠になったりします。身体面でものぼせたり、汗が出たり、冷え性になったりと、さまざまな健康障害が起こります。

 これこそが「男性の更年期障害」なのです。更年期障害というと、なんとなく「女性特有のもの」と受け取られがちですが、実は男性にもあるのです。そればかりか、女性以上に深刻であるともいえます。

 テストステロンが減少して男性更年期症状が出る病気を、医学的には「LOH(ロー)症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)」と呼びます。このLOH症候群が、いま、日本人男性に急増しているのです。

■ 男性更年期障害は女性より深刻

 ――女性以上に深刻とは、どういうことなのでしょうか? 

 よく知られているように女性の更年期障害は、一般的に40代後半から50代で、のぼせ、多汗、動悸、立ちくらみなどの症状を訴える人が多いようです。イライラや不安感、ヤル気が出ないといった精神症状を訴える方もいらっしゃいます。

 でも、女性の更年期障害は、閉経の前後5年以内の一過性のできごとです。程度の差はあるものの、どの女性も通過する症状です。年をとるにつれて治まります。

 しかし、男性の更年期障害は、テストステロンなど男性ホルモンの減少に伴う病気です。じっとしていてもよくならず、正しい対処をとらなければ、一生続くこともあるのです

 ――なぜ、男性更年期はあまり知られていないのでしょうか? 

 男性ホルモン不足というと、男性機能の低下に結びつけて考えられることが多く、そのことが男性更年期についての啓発を遅らせた面があると思います。

 「男性ホルモンの治療」というと、「精力増強」と思い込んでいる人も多く、うつ症状と結びつけられることはまれです。そうしたことが、男性更年期についての正しい知識の普及を遅らせているひとつの原因だと思います。

 たしかに、男性ホルモンであるテストステロンの不足は、男性機能の低下とも大きく関係しています。しかし、大多数の男性、特にビジネスマンにとっては、さまざまな精神症状のほうがより深刻な問題なのではないでしょうか。
――最近、ビジネスマンに男性更年期障害が急増している原因は何なのでしょうか? 

 競争の激化、成果主義の導入などにより、企業社会がより高ストレス化してきたことも背景にあるのではないでしょうか。男性ホルモン・テストステロンは、強いストレスがあると作られません。ストレスにより、テストステロンが低下してしまうのです。

 ――男性更年期は、具体的にはどのような症状なのでしょうか? 

 精神症状としては、健康感の減少、不安、イライラ、うつ、不眠、集中力の低下、記憶力の低下、性欲の減少といったことが挙げられます。40代以上の方は、何かしら心当たりがあるのではないでしょうか。

 また、身体症状では、筋力低下・筋肉痛、疲労、ほてり・発汗、頭痛・めまい・耳鳴り、性機能低下、頻尿、いわゆる「朝立ち」の消失といったことが挙げられます。

 また、テストステロンは、メタボや糖尿病など生活習慣病とも大きな関係があり、テストステロンが不足すると、生活習慣病の発症リスクを上げるともいわれています。

■ ビジネスと男性ホルモンの関係

 ――集中力や記憶力とも関係するのですから、テストステロンは、仕事力、ビジネス能力といったこととも大きな関係があるようですね。

 テストステロンの不足は、やる気の低下や無気力感などをもたらしますから、しっかり仕事をするには、テストステロンがしっかり出ていることが不可欠でしょう。経営者やビジネスパーソンにとって重要な、判断力、決断力の向上にも大きな影響を及ぼしますから、テストステロンが多いことが「できる人」の条件ともいえます。

 しかも、そうした能力面ばかりでなく、テストステロンは、社会においてどうふるまうかといった「男の生き方」も深くかかわっています。

 テストステロンの高い人は、チャレンジ精神、冒険など自分の世界を広げる意欲の強い人です。これは、企業家精神や、営業での新規開拓力といったことにつながるでしょう。また、テストステロンの高い人は、仲間と社会との協調を大切にする、健全な競争心の強い人でもあります。自分が不利益をこうむっても公平性を重視するといったこともテストステロンのなせるワザです。

 テストステロンが高い人は、そういった意味で、よきリーダシップを発揮できる人が多いのです。面白いことに、どこの会社でも、テストステロンが一番高いのは社長であることが多いようです。

 ――テストステロンを仕事に活かす方法はありますでしょうか? 

 テストステロンは夜寝ている間につくられます。したがって、朝がいちばん高くて、夕方になるにつれ、減っていきます。ですから、重要な決断をするのには、テストステロンが上がって決断力・判断力が高まっている朝がお勧めです。逆に夜は、大事な決断をするのは避けたほうがいいのです。

 また、テストステロンはシナプスの増加を促し、記憶力の向上に結びつくという発表もあります。そうしたことからも、朝をビジネスや学習に活用することは有効です。朝型生活や朝活を勧めるビジネス書が多いことも、知らないうちにテストステロン効果を活用しているのかもしれませんね。

――テストステロンは、人間関係においても有利に働くのでしょうか? 

 実は、「男らしさ」「男の魅力」といったことはテストステロンに負うところが大きいのです。テストステロンが強く働いている人は、正義感が強く、いわゆる「男らしい男」「男の中の男」となります。男性は男性同士でそうしたことをかぎ分けるとされ、テストステロンの高い男性は、同性から支持される傾向があります。つまりテストステロンが高い人ほど、男性から人望があるといえるのです。これはビジネスにおいて、大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。

 また、女性は、やはり男らしさに惹かれるものでしょうから、テストステロンの高い男は女性から人気があり、モテるといえるかもしれません。

■ 自分でできる「男性更年期障害」チェック

 ――テストステロンの高い低いは、どのようにすればわかるのでしょうか。

 外見から簡単にチェックできる方法があります。左右どちらでもいいですので、人差し指と薬指を見てください。簡単にいえば、薬指が長いほど、テストステロン値が高いのです。ですから、男性は、人差し指より薬指のほうが長い人が多いのです。

 これにはちゃんと根拠があります。指の骨にはテストステロンのレセプター(受容体)が存在するのですが、薬指には特にレセプターが多く存在するため、テストステロンが高い人ほど、薬指が発達するのです。

 ですから、女性は一般に、人差し指のほうが薬指より長いか、あるいは同じくらいです。でも、女性でも、バリバリ仕事をしていて上昇志向の強い人、経営者などは薬指が長い傾向があります。おもしろいでしょう。

 ――テストステロンが不足しているかどうかは、どうすればわかるのでしょうか? 

 本でも紹介しましたが、医療機関などで使われている、17項目の質問表(AMS調査票)があります。「AMS調査票」とネットで検索すれば、質問表は簡単に見つかります。ひとつの目安になるので、まずご自分でチェックしてみてはいかがでしょうか? 

 これで、合計が26点以下は正常、27~36点は軽度の男性更年期症状、37~49点は中程度の症状、50点以上は重症の可能性が高いとされます。50点以上の場合は、医療機関で受診するべきでしょう。

 ただし、この質問表だけでは判断できない部分もあるので、あくまで参考にとどめてください。これにあてはまらなくても、これまで述べてきたような症状が気になる人は、男性更年期を疑ってみたほうがいいかもしれません。
――男性更年期の可能性が高い場合は、どうすればいいのでしょうか? 

 泌尿器科やメンズヘルス外来で、正確なテストステロンの値を測ってもらってください。費用もさほどかからないし、簡単な血液検査ですぐにわかります。血液1ミリリットル中のテストステロン値の量が、おおむね300~350ナノグラム以下の場合、LOH症候群(男性更年期障害)と診断され、治療の対象となります。

 LOH症候群と診断された場合でも、男性ホルモン(テストステロン)補充療法を受ければ、ほとんどの場合、劇的に回復することができます。順天堂大学のメンズヘルス外来では、直接テストステロンを補充する治療よりも、漢方薬などによりテストステロンをつくる働きを高める治療を中心に行い、多くの方が回復されています。

 ――テストステロン補充療法を受けている人は増えているのでしょうか? 

 アメリカでは2014年の段階で、40歳以上の男性の30人に1人に当たる170万人がテストステロンを使った治療を受けています。調査から漏れている人を入れれば、この数倍の方がテストステロン補充療法を受けているとされます。

 アメリカでは、ちょっとしたテストステロンブームになっています。「テストステロン的だね」というのが、ほめ言葉になっているくらいです。日本でいえば、「マッチョでカッコいいね」といったところでしょうか。

 一方、日本で、テストステロンを使った治療を受けている人は2万人にすぎません。これは、韓国やシンガポールなどアジアの国々のなかでも少ないほうです。先ほども申しましたように、日本は、男性ホルモン・テストステロンについての啓発が遅れた「ホルモン後進国」なのです。

 ――泌尿器科なら、どこでもテストステロンについての治療を受けることができるのでしょうか? 

 どの泌尿器科でもテストステロンに関する治療を行っているわけではありません。事前にネットなどで調べていかれるといいでしょう。「テストステロン」「男性更年期」「LOH症候群」「男性ホルモン補充療法」などと検索して調べれば、すぐにわかると思います。

また、「日本Men’s Health医学会」のホームページでも男性ホルモン補充療法を受けられるクリニックを紹介しています。ご活用ください。■ テストステロンを上げるための10カ条

 ――自分自身でテストステロンを高める方法はあるのでしょうか? 

 日常の生活の工夫で、テストステロンを高めることができます。書籍でも紹介した「ドクター堀江のテストステロンを上げるための10カ条」を以下に載せますので、ご参考になさってください。

第1条 適度な運動をする……筋肉が刺激されるとテストステロンが作られます。
第2条 仲間とともに行動する……チームスポーツのほうがより効果的です。
第3条 ストレスを解消する……ストレスはテストステロンの大敵です。
第4章 夜更かしをしない……テストステロンは、夜寝ているときに作られます。
第5条 女性と接する……世代を問わず初めて会う女性と話すだけでもいいのです。
第6条 学生時代の友達と会う……利害関係のない友人関係が大事です。
第7章 パワースポットに出かける……自分が元気になれる場所を見つけましょう。
第8章 海に入る! ……プールではなく海のほうがテストステロンを上げます。
第9章 「臭い話」で盛り上がる……嗅覚の刺激が効果的です。
第10章 ゲームをする……神経伝達物質ドーパミンがテストステロンを高めます。

 この10カ条のほか、テストステロンを増やすためには食生活の改善も有効です。
――もっとも心がけるべきことはどれになるのでしょうか? 

 十分に睡眠をとることです。テストステロンは、夜中につくられるのです。とくに、丑三つ時(うしみつどき)、夜中の1~3時の睡眠は重要です。LED照明などは消して、しっかり睡眠をとってください。

 LOH症候群の男性患者のなかには、長距離通勤で睡眠が十分確保できていない方がよくいらっしゃいます。そうした方は、週に一度は会社の近くのビジネスホテルに泊まるなどして、睡眠をしっかり確保していただきたいものです。

 また、睡眠とあわせて、適度な軽い運動を続けることも重要です。ただし、マラソンなど運動のしすぎはかえってマイナスになりますから、ご注意ください。

 ――仕事の場などでテストステロンを上げる方法はありますでしょうか? 

 何らかの自己表現を行い、それを評価されて、自信を持つことでテストステロンは高まります。心理学用語でいえば、承認欲求が満たされたときといってもいいでしょう。仕事でうまくいって誉められたり、部下から感謝されるといったことです。仕事でなくても趣味やボランティアの場でもいいので、自分の存在意義が認められる場所があるとテストステロンを維持していけるはずです。

■ 「鼻の下を伸ばす」のも効果的

 先ほども述べたように、会社のなかでいちばんテストステロンが高いのがたいてい社長であることも、存在意義が認められていることと関係あるのでしょう。

 それと、これは仕事とは関係ないでしょうが、好みの女性に対して顔がゆるむ、いわゆる「鼻の下を伸ばす」状態でもテストステロンはグンと伸びます。

 ――最後に、最近元気がない男性に向けてお伝えしたいことはあるでしょうか。

 テストステロンは、社会の中で自分をアピールし、未知の世界に旅立たせる「夢と冒険のホルモン」であると私は思っています。

 テストステロンが高ければ、バリバリ働いて、仲間や家族、他人とのつながりを大切にしながらも、社会全般に関心を持ち、人生を積極的に楽しもうという意欲がわくものです。いつまでも若々しく、男らしさにあふれますから、必然的に女性にもモテる可能性が高まりますし、ビジネスシーンで男性からの支持も受けられやすいでしょう。

 また、年を取ればだれでも老化するものと思われがちですが、老化にもテストステロンが大きなカギを握っています。テストステロンが高ければ、若さを保つことができるのです。

 男の人生を決めるのは男性ホルモンです。ぜひとも、もっと多くの人に男性ホルモンの役割と存在意義を知ってもらい、テストステロンを高く保つ生活のコツを実践していただきたいものです。

堀江 重郎