正しい言葉遣い 「とんでもございません」どこが間違い?
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正しい言葉遣い 「とんでもございません」どこが間違い?
丁寧に話しているつもりが、かえって無礼。言葉の選び方ひとつで、知らないうちに恥をかいていたかもしれない。そこで、言葉の作法について、著書に『美しい日本語の作法』(小学館)などがある小笠原流礼法宗家の小笠原敬承斎さんに解説してもらった。
以下の言葉遣い、どこが間違っているかわかりますか?
相手「お待たせしてしまい、申し訳ありません」
自分「とんでもございません。お会いできて光栄です」
→正解は、「とんでもないことでございます」
「とんでもない」は、「と(途)でもない」が変化した言葉で、「思いもかけない」、「滅相もない」という意味。正しくは「思いもかけないことです」となるため、「とんでもございません」は、好ましくない。
相手「頼まれていたものを用意しておきました」
自分「ありがとうございました。助かりました」
→正解は、「ありがとう存じます」
今、目の前で用意してくださったことにお礼の気持ちを伝えているので、「ありがとうございました」と過去形にしてしまうのは望ましくない。「より感謝の気持ちを伝えるなら“存じます”に言い替えると、さらに丁寧になります」(小笠原さん)。
相手「このお菓子をひとついただけますか」
自分「こちらのほうでよろしかったですか?」
→正解は、「こちらでよろしいですか?」
よくお店で耳にする言葉だが、指し示すお菓子はひとつしかないのに「~のほう」と言うのは間違い。また、目の前で話しているにもかかわらず、「よろしかったでしょうか」と、過去形になるのもおかしな使い方だ。
※女性セブン2016年5月12・19日号