起業3年目までに知るべき「永続的にビジネスを成功させる秘密」- 記事詳細|Infoseekニュース
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起業3年目までに知るべき「永続的にビジネスを成功させる秘密」

Suzie2016年9月24日19時08分

『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』(船ヶ山哲著、きずな出版)の著者については、その名を聞いたことがあるという人もいらっしゃるかと思います。

心理を活用したマーケティング手法により「人脈なし、コネなし、実績なし」の状態から急成長を遂げた起業家。

起業後3年にして、上場企業から町の小さな商店まで300社以上のクライアントを獲得したのだといいます。

つまり、そんな実績をベースとして、「永続的にビジネスを成功させるための秘密」を明かしたのが本書だということ。

■価値にフォーカスすれば失敗しない

ビジネスとは、「価値と価値の交換」で成り立っているもの。著者は本書で改めて、その点を確認しています。

商品という価値をお客様に届け、お金という価値を対価として受け取る。それこそが、ビジネスの本質だということ。

だから、もし手元に資産や貯金がないのだとしたら、それはこれまで価値を届けてこなかった証拠だというのです。

そして、その価値にさえフォーカスしておけば、大きな間違いを犯すことはないともいいます。なぜなら、「商品=価値=お金」だから。

いいかえれば、価値が商品とお金を生み出してくれるということです。

■価値の量が最終的な価格に比例する

お金儲けが下手な人は、一生懸命やることと、売り上げは比例すると信じているもの。しかし、それが勘違いなのだと著者は指摘します。

ビジネスがお客様に価値を届けるものである以上、それは自分のエゴを満たすことではないはず。だからビジネスを行う際には、お客様の価値にフォーカスしなければいけないというのです。

そして、そのお客様が期待する結果の大きさや価値の量が、最終的な価格に比例する。すなわち、大きな売り上げを目指すのであれば、労働に頼らない仕組みや考え方を取り入れていく必要があるのだそうです。

なお、それを叶えてくれるもののひとつが、著者のいう「秘密」に隠されているのだとか。

■話していいor話すべきでないこと

その真実とは、「『what to(なにをやるか)』は話してもいいが、『how to(どうやってやるか)』は話してはいけない」といことだといいます。

さらに、もうひとつ気をつけなければならないポイントがあるといいます。

それは、「what toを聞くと、知った気になってしまう」ということ。そうなってしまった人は、自分の能力を過信してしまうというのです。

でも、それは仕方がないと。「平均以上効果」という心理が働いてしまうため、自分の能力を過信してしまうのが人間だから。

多くの人はなにかを行う際、「自分は最低でも平均以下になることはない」と信じているもの。そして、そのような“錯覚する行為”が自分を過信させ、失敗に導いてしまうというのです。

しかし、それはあくまで幻想でしかなく、本当の答えなどそこにはないと著者は指摘します。なぜなら大切なのは手段ではなく、本質だから。しかし多くの人は、そのことに気づいていないというのです。

■どうやってやるかを説明しない理由

では、販売者はなぜ「how to(どうやってやるか)」をいわないのでしょうか?

それは、「目的の違い」なのだそうです。

販売者の最終目的は、商品を売ること(how to)です。

しかし購入者の目的は、お客様を増やすこと。だとすれば、商品の先にある結果がそもそも違うのですから、成果が出なくても当然。

だからこそ、本気で成功を望むのであれば、その目的の違いに気づき、これらの手法を知ることが大切だと著者はいうのです。

ビジネスですから、目的の違いがあるのは仕方がないこと。

たとえば、デパ地下で試食を延々と続ける人はいないでしょう。試食はあくまでお試しであって、信用を得るための手段にすぎないからです。

大切なのは、目の前に来た情報をチャンスと捉えるのではなく、お互いの目的の違いに気づくことだといいます。

なぜなら現代のビジネスは昔と違い、「仕組み」が成否を分けるから。

■仕組みの裏側に潜む本質を知るべし

いい商品さえつくれば売れるという過去の時代とは違い、現代では「いわれたことしかできない人=使えない」ということになります。

いわれたことだけをきちんとやっていても、勝てる時代ではないということ。

逆にいえば、いまは個人であっても、気軽に仕組みを構築できてしまう時代であるわけです。

そこで、目先のものだけにフォーカスするのではなく、裏側に潜む本質を知ることが重要。

それを知ることで、販売者の真意や本当の目的を知ることができるのだと著者は主張します。



著者の言葉はときにシリアスですが、だからこそ訴えかけるものがあるのも事実。稼ぎたいという思いを持っているのなら、その糸口をつかむためにも読んでみて損はないかもしれません。

(文/作家、書評家・印南敦史)



【参考】

※船ヶ山哲(2016)『稼ぎたければ、捨てなさい。―起業3年目までに絶対知っておきたい秘密の裏ルール』きずな出版